オーナー様インタビュー #03-2 岸 宏昭様(サンクリバージュ野方新館)

サンクリバージュ野方新館(東京都中野区野方)

東京都中野区野方は、西武新宿線で新宿まで13分と都心へのアクセスも恵まれている一方で、下町風情のある商店街や人情が残り、「野方に住みたくて引っ越してきた」という人も数多くいる魅力的な街です。
「サンクリバージュ野方新館」は、前回ご紹介した「サンクリバージュ野方学生館」の第2期工事として、2002年3月に竣工した物件です。

サンクリバージュ野方 第2期 竣工当時(写真:篠澤建築写真事務所)
サンクリバージュ野方(学生館・新館)全景 竣工当時(写真:篠澤建築写真事務所)

先祖代々の地主である岸家の思いをどのように具現化していったのか、前回に引き続きオーナーの岸宏昭さんにお聞きしました。

Q:「サンクリバージュ野方新館」は、前回お話しいただいた「サンクリバージュ野方学生館」の南側、つまり、野方駅に近い土地に建てられました。野方駅から徒歩1分ですから、ホームやコンコースからもよく見えますから、ちょっと大げさな表現かもしれませんが「ランドマーク」という言い方もできるのではないかと思います。特に、屋上のドームについて聞かれることが多いのではないですか?

 (岸)建築直後から、「天体望遠鏡があるの?」とか「プラネタリウムみたいだね」とよく言われましたね。環境建築設計の宮坂所長はとても遊び心がある方で、「このマンションにもなにか遊びをもうけましょう!」という提案がありました。「じゃ、ドームのあるマンションなら、目印になってわかりやすいですね」と半分冗談で言ったら、このドームができました(笑)。実際に、「あのドームのあるマンションの…」という目標物として認識されている方もいるようです。実際には、中はロフトになっていて、収納として使っています。


駅のホーム越しに見えるサンクリバージュ野方新館

Q: なんとなくユーモラスなドームが建物全体のやわらかい印象にもつながっていますね。さて、「学生館」が竣工したのが1995年2月です。どのような経緯で「新館」の建築に至ったのですか?

 (岸)「学生館」を計画した当初は、この土地を含めたマンションを建てたい、という希望は当然ありました。ところが、この土地には木造アパートがあって、1階部分には店舗も入っていました。要するに土地を貸していたわけで、その権利調整の関係で、先に「学生館」を建設することになりました。「学生館」竣工後に権利調整がまとまり、「新館」は一般向けの賃貸マンションにしたい、ということで計画がスタートしました。

Q: 工事を2期に分けたことで難しい側面はありましたか?

 (岸)実は、容積率の問題がありました。容積率次第で確保できる床面積が決まりますから、事業者にとってはとても大きな問題です。
簡単にお話すると、「学生館」は広い環状七号線(環七)に面していますが「新館」の敷地は面していないので、かなり容積率が削られてしまうんです。

Q: 前面道路の幅員の関係で、指定容積率より大幅に制限されてしまうのですね。

 (岸)そこで、環境建築設計さんに検討してもらった結果、「第1期工事(学生館)の増築工事」という扱いにすれば、この問題をクリアできる、と。つまり、建築基準法には、学校などの例外を除いて「一つの敷地に一つの建物」という原則があるため、連続する土地に建物を増築し賃貸マンションとして一体で運営する、という計画であれば認められるはずだということになり、実際に容積率の制限を受けずに済んだのです。

Q: このときは、どう思われましか?

 (岸)これは本当に助かりましたね。さすがに土地活用のプロ、実績が豊富で、深い知恵をお持ちだなと感心しました。計画に一番大きな影響を与える要素ですから、本当に感謝しています。結果的に、外観はもちろん、2つの建物は見事に一体化しました。

「学生館」と同様に、1階はテナントを募集し、「つるい整形外科」さんが入ってくれました。「ふれあい介護サービス」さん(当初はイタリアンレストランも)と軒を連ねることで、地域にも貢献できる建物になりました。

つるい整形外科

Q: 前面道路は狭いですが、建物がセットバックしているのでゆとりがありますね。

 (岸)「学生館」でもお話しましたが、「新館」の角には早咲きのオオヤママメザクラ(大山豆桜)が2月の下旬から3月上旬頃に美しい花を咲かせます。写真を撮ったり、知らない人同士が立ち話をしている光景が見られるのがうれしいです。

大山豆桜
3月初旬に満開になるオオヤママメザクラ

Q: 「新館」は一般向けの賃貸マンションですが、思いをこめた点も多いのではないですか?

 (岸)エントランスは一見シンプルですが、直射日光で温度が上がると白濁して日光を遮断する「調光ガラス」を採用しています。省エネにつながると同時に、季節や天気によって見た目も変化するので楽しめます。

エントランス 調光ガラス
気温によって白濁する調光ガラスを採用した自動ドア

エントランスホールにつづくアプローチには、ご入居者やお友達がちょっと腰かけてくつろげるように、すわり心地がいいベンチを置いています。
円形のエントランスホールも、かなり個性的だと思います。

エントランスホール
エントランスホール

Q さまざまな素材、照明、造形が巧みに組み合わされていて、さらにセキュリティや宅配ボックスなどが配置されていて、高いグレード感を感じます。きれいに管理されているということもあって、素材の経年変化もいい味になっていますね。また、ご入居者は前面道路(野方駅)側、環七(棟内駐車場)側、商店街側と3方向からアプローチできて、とても便利でしょうね。

Q また、ご入居者は前面道路(野方駅)側、環七(棟内駐車場)側、商店街側と3方向からアプローチできて、とても便利でしょうね。

 (岸)「学生館」と同様、すべての面で「時がたつほど、その良さがわかるマンション」になったと思います。こちらからもセキュリティ面をはじめ、いろいろな要望やアイデアを出しましたが、環境建築設計さんは我々の思いをよく汲み取ってくれて、見事に具現化してくれました。

Q 住居タイプもバリエーションが豊富ですよね。

(岸)約20タイプのバリエーションがありますから、おひとり暮らしからファミリーまで、幅広くご入居いただいています。

 

環境建築設計・宮坂所長と機会がある度に語り合うのですが、「いい建築というのは、そこに日々暮らす方々の心や感性を豊かにするものだ」と思っています。ここに暮らすお子さんが成長するにつれてそうしたことを少しずつ実感してくれたらうれしいですし、「学生館」に住んでいて社会人になった方が、数年後に「やっぱり野方で暮らしたい!」「サンクリバージュに戻りたい!」ということで帰ってきてくれたらなによりうれしいですね。

手前味噌な話に聞こえてしまうかもしれませんが、それくらい私たちオーナー一族、環境建築設計やお世話になった関係者の皆さんの思いが、隅々にまで行き届いたマンションだと自負しています。

岸家の皆さんは地元の祭りや音楽イベントなど、地域活動、地域貢献にも積極的ですね。サンクリバージュ、そして、野方の街に対する深い愛情が伝わってきました。本日はありがとうございました。

(インタビュー監修:ポケット・クリエイション)

 

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【関連リンク】
 サンクリバージュ野方(1期・2期)詳細ページ
 サンクリバージュ野方新館ホームページ

 

 

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